こんにちは、ななおです。
前回はこちら、47話:男の眼から。
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綱渡り
『マサトって絶対女性慣れしてるよね、すごいと思う笑』
『そんなことないって、ほんと。俺チャラかった?』
『チャラくはないけど、慣れてるなあとは思ったよ』
『マジかー、俺の評価今日のデートでめっちゃ下がってない?大丈夫?』
デートを終えてからの帰りの電車でも、マサトとのラインが途切れることはなかった。
『大丈夫大丈夫、でも結構女の子とも遊んでるのかなとは思ったよ』
マサトをからかってみようと思っていじわるなラインを送ったつもりだった。すると、
『あーまぁ確かに、女友達と遊びにいくことはよくあるなぁ』
そんなマサトからの返信が私の胸をチクリと刺した。普通に考えたら、あれだけなんでもそろっているマサトが女の子と出かける機会に困らないのは当たり前すぎることだろう。けれどこの時はやはり、少しでも私のことを特別だと言って欲しかったのだ。ただの女友達ではないからこそ、2人で出掛けたのだと思いたかった。
『え、それって、私もただの女友達ってこと?』
自分の感情や欲求に素直すぎるところは私の長所でもあるが、きっと恋愛の駆け引きにおいてそれは短所にしか働かないのだろう。送ってから、改めてそのことをはっきりと認識した。
『それは、まだ一回しか遊んでないんだから、分からないよ』
返ってきたマサトの言葉は、わずかに私から距離を置こうとしているように見えた。一言で言えば、きっと少し、引かれたのだ。
『まぁ、そうか、そりゃあそうだよね』
これ以上マサトとの間の温度差を広げてはいけないと察した私はすぐに折れることにした。
『いや、いいよ、とりあえず来週にでもまたご飯行こうか』
『うん、そうしよ、また来週の授業のあとの時間空けておくね』
大丈夫、私とマサトはまだまだこれからだ。そう思ってふぅと肩を撫でおろしたのだった。
つづく(49話:真夜中の会話)
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私は冴えないアニメオタクでしたが、現在は一途で誠実な彼氏がいます。彼はイケメンの部類ですが、浮気の心配や不誠実さは皆無で、徹底的に一途な人です。
どのくらい一途かというと、週末ななおに会いに来るために新幹線の回数券を買ってくれているくらいです。(現在は、東京―京都間での遠距離恋愛をしています)
そんなことを言うと、ななおは元々見た目が良かったんでしょとか、オタクといいながら実は結構モテてたんでしょ、と思うかもしれません。
しかし実際は、20歳くらいまでメイクやファッションのことは何も知らず、好きだった人に「ブス」などと言われるような人間でした。さらにいうと、彼氏とは今でこそ恋人同士ですが、そうなる前に2度振られた経験もあります。
そんな私ですが、心に余裕を持つことで大逆転を果たし、彼に告白されるまでになりました。
私にもできたのですから、誰でも余裕を持つことで素敵な恋愛ができるはずです。
余裕は身に着けることができます。
単なるアニメオタクが余裕を得てイケメンに告白されるまでの過程を、下記の記事では公開しています。