草食系男子との3年間㉒:決意 ~ななお篇~

 

こんにちは、ななおです。

前回はこちら、21話:2度目の告白から。

目次はこちらから。

 

決意

 

相変わらずしげきのことは好きだった。本当に大好きだった。しかしこれ以上何もすることはできなかったし、するつもりもなかった。

徹底的なまでに私を拒否した彼の言葉はまだしっかり耳に残っていて、そしてそのおかげで、今の彼の気持ちが明白になっていた。

だから私は一つ、自分の中で決断をした。そして自分の心に固く誓った。

 

しげきを好きでいることを無理にやめることはしない。でも、私はこれ以上彼を追うことはしない、と。

 

好きでいることは、必ずしも恋愛感情を伴う必要はないはずだ。

私は純粋に人間としてのしげきに惚れ込んでいるし、彼の優しさや誠実さやストイックさや生真面目さを愛している。そしてその事実はいくら彼に振られようと、否定することができないものだ。

そして、私がしげきの気持ちを変えることができないように、どんな人であっても、そんな私の気持ちを変えることはできない。

だからその気持ちを持っている間は、決して否定することはしないでいようと思った。

 

けれどそのかわり、もう彼を追い、何かを求めることもしないのだ。

求め続けることはしげきを苦しめることになるし、そして叶わない期待をし続けて自分自身を苦しめることにもなる。だから、そんなことはもうやめなくてはいけなかった。

 

ただ彼を好きなままでいること、そして何も望まないこと、それがこれからの私の取るべき道だった。

 

そしてそんな自分の決意を形にするためにも、ふとした時にしげきのことを考えてしまう自分を制御するためにも、しげき以外の誰かに夢中になりたいと思った。誰か別の男性との出会いが必要だった。

 

『今度、うちの大学の女子と東大男子で合コンしない?』

 

2度目にしげきに振られた数日後、浪人時代の友人である城田に連絡をした。

 

『おっ、いいね!4対4くらいにする?』

 

景気の良い返事にほっと笑みが浮かぶ。

 

『そのくらいで丁度いいと思う。お店任せてもいい?』

 

『おっけ、でもまだ今後のスケジュール分かんないから、日程はこれから調整する』

 

『ありがと、頼んだ!』

 

ものの10分ほどでさくさくと話が進んだ。数カ月ぶりの連絡にも快く応じてくれる男友達の存在はとてもありがたい。

 

城田を抜いて3人。その中に今後関係が続くような素敵な人がいるなんて思っていないけれど、近々新しい出会いがあると思うとそれだけでも少し気がまぎれるものだ。少なくとも、しげきという泥沼に引きずられないためのストッパーにはなってくれるはずだ。

 

 

実際に合コンが開催されたのは、それから4か月後の夏の始まりだった。城田の所属が野球部で練習が厳しかったことに加え、お互いの大学の予定を合わせるのに時間がかかってしまったのだ。

けれど、その時にはうちの剣道部にも新1年生が入部していたし、新しい環境やメンバーにも随分慣れていた頃だった。だから新しい異性との出会いの時期としては丁度良い頃合いだったのかもしれない。

 

つづく(23話:長野さん

 

正直そこまで期待していた合コンというわけでもなかったのですが、実はここでとても大切な出会いを得ることになります。詳細は次回から書いていきますね^^

 

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