こんにちは、ななおです。
前回はこちら22話:決意から。
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長野さん
7月に入ったばかりの蒸し暑い日、城田が準備してくれた合コンへと向かった。
新宿の改札を出て待ち合わせ場所に向うと、男性陣は全員そろっていた。
見慣れた顔の城田に加えて、さわやかなイケメンが一人、優しげな笑顔の持ち主が一人、はっきりと話すリーダー風な人が一人。
全員短髪で、とてつもなくよく日に焼けていた。そして誰もかれも腕が太く、野球部の厳しいトレーニングを彷彿とさせた。
軽く自己紹介を済ませると、初対面の3人もとても気の良い人達だった。
遅れてきた女子を待ってから店に移動し、特に順番も決めずに適当に席に着いた。あまりに適当だったので、「斬新だね」などと言って笑う人もいた。
私の左隣にリーダー風の人、正面には優しげな人、右前に城田が座る。さわやかイケメンはリーダー風の隣に行ってしまい、話しにくい場所になってしまった。やはり男女で向かい合う席順には意味があったようだ。
飲み会は終始楽しかった。東大生とはいえ体育会系なのでノリがよく、男女ともに盛り上がった。
飲み会が終わるとカラオケに行こうという案も出たが、女子側の門限があったために全員のグループラインを作ってその日は別れることにした。誰もが盛り上がった会だったから、ラインに入るのに躊躇する人はいなかった。
8人で連れだって新宿駅の構内を歩いていると、飲み会で私の正面に座っていた優しげな人が話しかけてくれた。
飲み会の時は積極的に話す人ではなかったので少し驚いたが、悪い気はしなかった。むしろ、少し興味を持ってくれたのかと思うとまんざらでもない気持ちだった。
家に帰る道すがら、ライングループは『また集まろう』『今日は楽しかった』などと活発に動いた。そして家に着くころ、
『今日は幹事お疲れ様、とても楽しかったよ、ありがとう』
という個人ラインが届いた。
帰り道で話しかけられた、あの優しげな人だ。ラインの表示名をもう一度確認する。「長野亮太」さんか。確か学年は1つ上で、私も彼も1年浪人しているために、実年齢も1つ上だ。
『とんでもないです。こちらこそ楽しませていただいて、ありがとうございました。』
と、早速返信を返す。
するとすぐに既読がついて返信が届き、その日は夜寝るまで会話が続いた。
そのやり取りは翌日、翌々日になっても続いた。
互いの部活のことばかりを話す色気の全くない会話だったが、こちらの話をきちんと聞いてくれ、柔らかい口調で落ち着いた返事を返してくれる長野さんに純粋に好感を抱いた。
すると少し心を許したのが伝わったのか、
『今度ちゃんと会って、じっくり部活の話でもしようか?笑』
というメッセージが届いた。
そしてそんな長野さんの誘いに、私も喜んで応じたのだった。
つづく(24話:揉め事)
しげきから気持ちを遠ざけるために開いた合コンで長野さんと出会えたことは、私にとってとても大きな出来事だったと思います。今後は長野さんとの関係性も書いていきますね^^
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私は冴えないアニメオタクでしたが、現在は一途で誠実な彼氏がいます。彼はイケメンの部類ですが、浮気の心配や不誠実さは皆無で、徹底的に一途な人です。
どのくらい一途かというと、週末ななおに会いに来るために新幹線の回数券を買ってくれているくらいです。(現在は、東京―京都間での遠距離恋愛をしています)
そんなことを言うと、ななおは元々見た目が良かったんでしょとか、オタクといいながら実は結構モテてたんでしょ、と思うかもしれません。
しかし実際は、20歳くらいまでメイクやファッションのことは何も知らず、好きだった人に「ブス」などと言われるような人間でした。さらにいうと、彼氏とは今でこそ恋人同士ですが、そうなる前に2度振られた経験もあります。
そんな私ですが、心に余裕を持つことで大逆転を果たし、彼に告白されるまでになりました。
私にもできたのですから、誰でも余裕を持つことで素敵な恋愛ができるはずです。
余裕は身に着けることができます。
単なるアニメオタクが余裕を得てイケメンに告白されるまでの過程を、下記の記事では公開しています。