こんにちは、ななおです。
前回はこちら、26話:池袋デートから。
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和解
長野さんとはその後間を開けず、二回目のデートに行った。
その時も穏やかで温かい彼の人柄に触れることができて、私は心地よさを感じることができていた。
私と長野さんの関係は順調に進んでいた。
その一方で、大学やバイト先で毎日のように会うしげきを無視することに、疲れを感じ始めていた。
しげきのことを許したくはないし相変わらず気持ち悪いと思っていたけれど、毎日顔を合わせる人を意図的に避けることは、結構な体力を使うことに気が付いたのだ。
そして、そんなくだらないことに体力を使って疲れてしまうよりも、自分の思っていることをしげきに話すべきではないかと思った。
そこで、
『話したいことがあるんだけど、部室で会えない?』
そうしげきにラインを送ると、
『俺も話したいと思ってた』
という返信が来て、少し驚いた。
というか、話したいと思ってるなら私からの連絡を待たずにそっちから連絡してこいよ、と内心苛立ちも覚えた。
なにはともあれ、予定を合わせて話し合いのために部室に行くと、すでにしげきは来ていて、部室に入って来た私の様子をうかがっていた。私の目を正面から見ることもできないようだった。
まるで怒られることを分かっている子犬のようにビクビクしていて、普段の部長としての威厳なんてものはこれっぽっちもなかった。
そんなしげきの様子を良いことに、近くにあったパイプ椅子に足を組んで座り、ついでに腕も組んだ。
一言たりとも言葉を発していないのに、すでにその場の雰囲気を支配しているのが私であることは明らかだった。
そこからは、
「幹部決めだけど、あの決め方、なんなの?」
「あなた部長だよね。なんでサヤカだけ贔屓するようなことするわけ?自分の立場と影響力わかってる?」
そう、溜まりに溜まっていた怒りを相手にぶつけた。
そして、
「人の意見を聞き入れない上に特定の後輩だけ贔屓するような人は、先輩としても人間としても尊敬できないから、関わりたくない。今後もそんな様子だったら、このまま関わりを持たずにいさせてもらう」
そう告げた。
私が自分の怒りをとうとうと話している間、しげきは口を挟むこともなく、何度も頷きながら話を聞いていた。
そして大人しく、
「今言われたことは自分でも無意識にしていて、あまり意識すらしていなかった。だから反省して今後はできるだけ直していきたいと思ってる。」
そう言うのだった。
あまりにも大人しくて反論する雰囲気が全くなかったので、
「私に話したいことがあるって言ってたけど、何か言いたかったんじゃないの?」
と、こちらから聞いた。
するとしげきは困ったような表情を浮かべながら、
「いや、今までしばらく無視されてたから、それが辛かったかも。俺としては、やっぱり、ずっと無視される状況ってのが、一番辛い」
と言った。
それを聞いて、内心「そんなことか」と思ったのは否めない。
私の態度が嫌で不満があるなら、なぜそんな態度を取るのか理由を聞き、必要ならば解決策を探るべきだろう。しかしそんな建設的な会話をするためではなく、ただ、「今の状況は嫌だ」と伝えるために私を呼ぼうとしていたのなら、しげきの思考回路は小学生レベルだ。
けれどそんなことを思っても、目の前でうなだれた様子で「反省する」というしげきを見ていると、「ちょっとは許してやるか」という気がしてきてしまうのだった。
そうして、しげきは今までの在り方を反省することを約束し、私はこれまでの露骨な無視をやめることを約束したのだった。
すでに次の幹部代は決まっていたし、サヤカの自慢話がすぐに止むこともないだろう。
それでもとりあえず、私としげきの間の冷戦は、和解という形に落ち着いたのだった。
つづく(28話:三度目のデート)
何か嫌なことや言いたいことがあったら我慢したり無視したりせず(ここは私も反省ですね)、きちんと話し合いをすることが大切です。私たちも付き合ってからは、小さな違和感でもきちんと話し合いをしてますよ^^
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私は冴えないアニメオタクでしたが、現在は一途で誠実な彼氏がいます。彼はイケメンの部類ですが、浮気の心配や不誠実さは皆無で、徹底的に一途な人です。
どのくらい一途かというと、週末ななおに会いに来るために新幹線の回数券を買ってくれているくらいです。(現在は、東京―京都間での遠距離恋愛をしています)
そんなことを言うと、ななおは元々見た目が良かったんでしょとか、オタクといいながら実は結構モテてたんでしょ、と思うかもしれません。
しかし実際は、20歳くらいまでメイクやファッションのことは何も知らず、好きだった人に「ブス」などと言われるような人間でした。さらにいうと、彼氏とは今でこそ恋人同士ですが、そうなる前に2度振られた経験もあります。
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