草食系男子との3年間㊷:片思いの結論 ~ななお篇~

 

こんにちは、ななおです。

前回はこちら、41話:ただの後輩から。

目次はこちらから。

 

 

片思いの結論

 

しげきは私のことを「一番」だと言ってくれた。私と話せない期間は辛かったと言ってくれた。

でも、決して私と2人で出かけようとはしない。私は彼にとって一後輩でしかない。

私はこれ以上どうしたらいいんだろう?もう丸2年彼のそばにいるのに、どうして友達以上に近づけないんだろう?

しげきのことを考えては、明るくなったり暗くなったり、めまぐるしく気分が変化する日々が続いた。

 

そんなある日のこと、その日はまだ5月だというのに30度近くまで気温が上がって、まるで夏が始まったかのようだった。

私は一人で音楽を聞いていた。その曲は私の好きなFlowerというグループの、「熱帯魚の涙」という曲だった。

そして生暖かい風を感じながら、2年前の感情を思い出していた。あの年の夏はしげきを好きになった最初の夏で、ただひたすら、しげきのことだけを追いかけていた夏だった。あの年も暑かったな、ちょうどFlowerにハマりだした頃だったな、そんなことをとりとめもなく考えていた。そんな中で、

 

  夏が来るわ もう戻りたくないけど
  思い出すの 熱帯魚の涙を
  私 あなたの腕の中の愛を知らない熱帯魚だった
  どんなに激しく泳いだって そこにあるのは涙の海

 

この歌詞が聞こえてきた時にふと、「確かにそうだ」と思った。

 

今まで私はしげきのことだけを見て、いつ振り向いてもらえるの?いつ付き合えるの?どうして私を見てくれないの?そんなことをばかりを考えて、苦しくなっていた。

まさに水槽の中の熱帯魚のように、たった一人で意味もなく泳いでいた。

けれど、この歌詞は

「もう戻りたくないけど」

という。

ということはこれを書いた人は、もうその水槽の外に出ているのだ。きっと、右も左も分からずに泳いでいた水槽から出て、今はもうしっかりと自分の足で立っているのだ。

 

私はそんな歌詞に猛烈に惹かれた。自分もそうなりたいと思った。

どれだけ好きな相手でも、自分の思うように相手を動かすことはできない。それならば、いつ動くか分からない相手を待って苦しくなるよりも、自分で自分を幸せにするべきではないのか?

 

そこまで思ったとき、「私にはそれができる」という確信が心の中にあることに気が付いた。

 

これまで十分にしげきを好きでいた。そして仮にその想いが報われなかったとしても、私はそれを後悔することはない。それだけ本気で好きでいた自信がある。

 

これ以上しげきを待つことにどんな意味があるのだろう?しげきの様子を見ては心が揺れ動いて苦しくなる状況を、今後いつまで続けるつもりだろう?

 

私はもうそれはやめにしたい。

これはきっと、彼に期待をしない、ということだ。

期待をするから、好きな人の様子が気になって仕方なくなる。期待をするから、今か今かとイライラしてしまう。

そして未来に期待するということは、現在が楽しくないと宣言していることになる。私は彼に期待し続ける限り、自分自身の現在を楽しむことができないのだ。

 

ならば私はもう、期待することをやめよう。

けれどそれは彼を好きでいることをやめるわけではない。

「私は彼を好きでいる」けれど、その見返りを彼に期待することはない。

私は私に正直に生きる。そして自分の気持ちに誇りを持つ、ただそれだけだ。

 

そこまで考えて、さらにもう一つ気が付いた。

私がこれだけ誰かを好きになれたのは、しげきのおかげだ。
私が自分自身を誇りに思えるほどの愛情を感じられたのも、しげきのおかげだ。
私が自分自身を見つめ直し、反省し、成長する機会を与えてくれたのも、誰でもない、しげきだ。

ならば私は、しげきに感謝をするべきではないか?未来のしげきへの期待なんかじゃなく、今現在のしげきに対して感謝するべきことがたくさんあるじゃないか。

 

 

そうして私は一つの結論に辿り着いた。

私は私を成長させてくれ、本気の愛情を教えてくれたしげきに、とても感謝している。そして今の私は、そんなステキな人を好きな自分を誇らしく思うし、これからも堂々と好きでい続ける。

これからの私は、自分への焦りとしげきへの期待ではなく、自分への誇りと、しげきへの感謝を持って生きて行くのだ。

 

つづく(43話:2年ぶりの誘い

 

Flowerは今でも好きで、ちょくちょく聞いているグループです^^
片想い中は「太陽と向日葵」「白雪姫」「熱帯魚の涙」をよく聞いていましたね。

 

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