こんにちは、ななおです。
前回はこちら、63話:再び三角関係から。
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ちょっとした誘惑
四段審査のあと、落ち込んでいた私は好きなBL映画を観て元気を出そうと思っていた。けれどもしげきと一緒に映画館へ行くと、その日はもうどの回も満杯で見る事ができなかった。
仕方なく私たちはまた日を改めてその映画を観に行くことにしたのだった。
「普通の恋愛映画みたいだった!」
映画館から出てくるとしげきはそう感想を口にした。そして、
「原作の漫画は、これの次に続編もあるんだよ」
というと、
「じゃあその続編が映画化したら、また観にこようね」
と言ってくれた。
そんなしげきの隣を歩きながら、マイノリティな趣味に対しても寛容なところとか、自分の知らないものでも良いと思ったらすぐに受け入れるところとか、そんなところがやっぱりいいよなぁ、などと心の中で思っていたのだった。
その夜はしげきが調べてくれたチーズフォンデュのお店でお腹を満たし、食事が終わってもなんとなく、「帰るのにはまだ早い」という共通の空気感を2人ともが持っているようだった。
その時少し良い雰囲気になっていることを感じ取った私は、ちょっとここでしげきに私を意識させようと思い、2人きりの空間になれる漫画喫茶を提案したのだった。
2人で近くの漫画喫茶に入り、ドリンクを持って個室に入る。
ホテルとは全然違うけれど、やっぱり狭い個室に2人きりという状況は私たちには初めてだったし、そんな場所では相手の存在感がぐっと増すものだ。
ポーカーフェイスを装っているようには見えたものの、隣でしげきがいつもより緊張した面持ちになっていることを確認しながら、まずはパソコンを付け、2人で動画を見て楽しむことにした。
一通り見たいものを見終わると、私は「ちょっと寝る」といって少し横になった。
寝られるくらいリラックスしていたのも勿論あるけれど、そういう態度を取ることで、しげきに嫌でも私を意識させることが一番の目的だった。
私が横になると、しげきは「寝ちゃうの?」と言って困ったような戸惑ったような顔をしたけれど、それには構わず、目を閉じて静かに寝ていることにした。
隣からはやはりどうしたらいいか分からず困っている様子が伝わってきたけれど、結局しげきも慎重に距離を取りながら私の横で体勢を崩したようだった。
しばらく無言のまま時間が過ぎ、10分ほどたってから目を開けてしげきを見ると、しげきはちょっと困ったように目を合わせ、そのあと嬉しそうにはにかむのだった。
そんなしげきの様子に満足した私は、作戦成功!と思いながら身体を起こし、帰る準備を始めたのだった。
つづく(64話:ディズニーシー)
これはある意味、草食系男子が相手だから使える技かもしれません。でもこんなのでも草食系男子には効果絶大だったようです(笑)
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私は冴えないアニメオタクでしたが、現在は一途で誠実な彼氏がいます。彼はイケメンの部類ですが、浮気の心配や不誠実さは皆無で、徹底的に一途な人です。
どのくらい一途かというと、週末ななおに会いに来るために新幹線の回数券を買ってくれているくらいです。(現在は、東京―京都間での遠距離恋愛をしています)
そんなことを言うと、ななおは元々見た目が良かったんでしょとか、オタクといいながら実は結構モテてたんでしょ、と思うかもしれません。
しかし実際は、20歳くらいまでメイクやファッションのことは何も知らず、好きだった人に「ブス」などと言われるような人間でした。さらにいうと、彼氏とは今でこそ恋人同士ですが、そうなる前に2度振られた経験もあります。
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