こんにちは、ななおです。
もうそろそろ終盤です。私達の長い3年間をお読みくださり、本当にありがとうございました!それではあともう数話分、お付き合いください^^
前回はこちら、63話:ちょっとした誘惑から。
目次はこちらから。
ディズニーシー
「めっちゃ並んでるじゃん!」
朝の7時45分、開門直前のディズニーシーには既に多くの人が列を作っていた。
「やばい~超楽しみだ~!」
3月になったばかりの朝はまだまだ寒くて、自分でも寒さなのか武者震いなのかわからないけれど、軽く身体を震わせる。
実は最後にディズニーシーに来たのは小学校2年生の時で、ものすごく断片的な記憶しか残っていなかったから、パークそのものをとても楽しみにしていた。
しばらくすると門が開き、急ぎ足で目的地に向かう人達に流されないように、しげきとくっついて歩く。とりあえず「シーに行くぞ!」という勢いで来た私たちは何のプランもなく、ただ思いつくままに歩いては乗りたいアトラクションに乗っていた。
だからその日私たちが一番最初に乗ったのは“キャラバンカルーセル”という2階建てのメリーゴーランドで、朝一番の客は私達2人しかいなかった。
「このシートベルト、留まらなくね?小さくて無理じゃね?」
「え、そう?私入ったよ?しげきが変なんじゃないの?」
ちょっと得意げにそう言うと、
「え~、そうかなぁ」
馬にまたがったまま、しげきは困ったように周りを見渡す。
しげきのシートベルトはきちんと留まっていないのに、既に乗り物は動き始めている。
「・・・てかこれさ、小さい子用のベルトじゃね?俺ら大人はいらないんじゃね?」
「えっ?!そうなの?」
言われて慌てて自分のベルトを手で触って確かめる。
確かに普通、メリーゴーランドでシートベルトが必要なことはないし、どうにか装着したとはいえ、ベルトの短さのせいで手すりにしがみつくように乗っている自分を客観視し、私も理解する。
「ほんとだ、これ小さい子用のだ!うちらなにやってんのバカすぎ!てか恥ずかしすぎ!」
そう言って、楽しげに上下しながら走る木馬に乗りながら、いつものように2人して爆笑するのだった。
たくさんのアトラクションに乗って、美味しいご飯もチュロスも食べて、途中でなんとなく立ち寄ったショーの抽選に偶然当たって素敵なショーも見て、私たちはとても満足だった。
「なんのプランも無く来たけど、今日すごい完璧な日じゃね?」
少し遅めの夕食を食べて落ち着いたころ、夜のパークを散歩しながら、しげきが嬉しそうに言った。
「ファストパスも上手く取れたし、一番並んだのでも40分くらいだったよね?」
「それな!」
そんなことを話していると、前方から歩いてきたカップルの男性に声をかけられた。
写真を撮って欲しいのかな?そう思って機嫌よく「はい?」と応じると、彼はこう言った。
「もしよかったらこれ、使ってもらえませんか?俺らもう乗らないんで」
そして彼が差し出したチケットを覗き込むと、なんとそれはこれから使えるレイジングスピリッツのファストパスだった。
「どうした?」
あとから来て私の手元を覗き込んだしげきも一瞬固まった。
「え、あ、え?」
「いらなかったら捨ててくれてもいいんで、じゃあ」
そう言ってさっさと帰ってしまおうとするカップルの背中に、何度も「ありがとうございます!」とお礼を言い、天から降ってきたかのようなプレゼントに、「本当に今日は最高だ!」と、2人共さらにテンションが上がりまくるのだった。
もらったファストパスを使った頃にはもう閉園時間も近くて、パークの奥の方にはほとんど人がいなかった。
人のいないディズニーシーに2人きりになったような気分になって嬉しくなった私は、ちょっとだけくるくる回ってその場を満喫する。
「もう全然人いないね、すごい!2人だけみたい!」
思ったままにそう言うと、
なぜかしげきは少しだけ固い表情で「うん」と頷くだけだった。
あれ、変なこと言ったかな?と思った私はそれ以上余計なことを言わずに、夜景を楽しみながら出口に向かった。
舞浜駅で違う方面の電車に乗る私たちは、ギリギリまで手を振り合って、その日はそのまま別れたのだった。
つづく(65話:急な誘い)
この日はほんとう~に、最高な日でした。ものすごくラッキーデーでした。そしてしげちゃんはこの日の入園パスポートを今でも捨てずに持っているようです・・・(笑)
近いうちに、もうすぐ付き合うかも?!という友人カップル(?)とシーでダブルデートをしてくるので、今度はその日の報告もしてみたいなと思ってます^^
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私は冴えないアニメオタクでしたが、現在は一途で誠実な彼氏がいます。彼はイケメンの部類ですが、浮気の心配や不誠実さは皆無で、徹底的に一途な人です。
どのくらい一途かというと、週末ななおに会いに来るために新幹線の回数券を買ってくれているくらいです。(現在は、東京―京都間での遠距離恋愛をしています)
そんなことを言うと、ななおは元々見た目が良かったんでしょとか、オタクといいながら実は結構モテてたんでしょ、と思うかもしれません。
しかし実際は、20歳くらいまでメイクやファッションのことは何も知らず、好きだった人に「ブス」などと言われるような人間でした。さらにいうと、彼氏とは今でこそ恋人同士ですが、そうなる前に2度振られた経験もあります。
そんな私ですが、心に余裕を持つことで大逆転を果たし、彼に告白されるまでになりました。
私にもできたのですから、誰でも余裕を持つことで素敵な恋愛ができるはずです。
余裕は身に着けることができます。
単なるアニメオタクが余裕を得てイケメンに告白されるまでの過程を、下記の記事では公開しています。