草食系男子との3年間⑭:過去の話 ~ななお篇~

 

こんにちは、ななおです。

前回の話はこちら(13話:運命の日)から。

目次はこちらから。

今回は、13話の続き・・・ではなく、少し過去の話をしておきたいと思います。ちょっと重い話になってしまいますが、ご了承ください。

告白のシーンは次回書きますね^^

 

過去の話

 

中学生に上がったころから、なんとなくいつも、もやもやしたものに包まれていた。

学校には毎日行けているし、家庭内に大きなトラブルがあるわけでも、お金に困っているわけでもない。

一般的には、「恵まれている」と言われる環境にいることは分かっていた。

 

けれどいつも何か物足りなくて、何か息苦しかった。

 

その苦しさから逃れられるのは、寝ている時と、アニメや漫画に夢中になっている時だけだった。

 

そして、そんなよく分からない苦しみを共有してくれる友達も、ましてや理解していくれる人なんて、ほとんどいなかった。

 

高校生になるとそれは収まるどころか、さらに苦しくなった。なぜなら、

 

「他人の言いなりに生きるのではなく、自分で責任を持って人生を生きなければならない」

 

と考えるようになったからだ。

 

それまでは、何か嫌なことがあっても、学校や親、社会の常識など、強いものの言う通りに動けばどうにかなった。苦しくなったら思考を停止してロボットのように動くことができた。

 

けれど高校生になって、「自分の意見」を持って生きようとしたら、今度はそれまで盲目的に従ってきた「常識」が嫌いで仕方がなくなったのだ。

 

一言で言えば、「受験」「偏差値」「順位」なんていうワードでほとんどの世界が完結されている学校という場所が、嫌で仕方なかったのだ。

 

そこは子供たちの全てを数字で判断し、格付けする無機質な世界だった。
そこには子供の「個性」も「自分らしさ」も、わくわくするものはなにもなかった。

 

そしてそんな世界に学生を追い立てる大人たちも、その大人に黙って従って「誰々より上、下」なんて格付けしあうクラスメートも嫌いだった。

 

だから、高校生になると今まで以上に息苦しくなった。相変わらずアニメと漫画の世界に生きていたけれど、それで済む話でもなかった。

 

何度も、「寝ている間に地球が滅亡しないかな」と思った。

「今夜寝て、そして二度と朝が来なければいいのに」とも思った。

 

自ら命を絶つ勇気はなかった。けれどもこのまま生きていたいとも思わなかった。

ただ、すぅっとそよ風が吹くように、このまま自分の存在を消してしまいたいと思っていた。

 

病院にこそ行かなかったものの、「鬱」という症状に近いことを自覚していた。

 

 

そんな高校生活を送りながらも、私はどこかで希望を捨てられずにいた。

 

「今は辛いけど、将来はきっと明るくなる」

「今の苦しみを正当化するためには、将来の自分が笑っているしかない」

 

そう思って自分を奮い立たせ、表向きは何事もなく学校に通った。親にすら、私の「鬱症状」に気付かれることはなかった。

(むしろ、「いつも呑気すぎる。もっと辛い目に合ってもっと苦しめ」と言われるほどだった。)

 

 

そんな私が、大学に入ってしげきに出会った。

最初は好きなのかどうかも分からなかったが、はっきりと好きだということを自覚してからは、あっという間にしげきのことで頭がいっぱいになった。

いつもしげきのことを考え、「好きだな」「会いたいな」なんてことばかりを考
えていると、思わず頬がほころぶようになり、何気ない瞬間に「幸せだな」という言葉をつぶやけるようになっていた。

 

そのとき、「これが幸せなのか」とはっとしたことをよく覚えている。

 

「この私が、人生を幸せだと思えている」ということに、とても驚いたのだ。

 

私にとってしげきは、中学生の頃から続いた暗闇に差し込んだ、一筋の光だった。

 

「やっと私も幸せになれる。ここまでの努力や苦労がやっと報われる時が来たんだ」

 

そんな風に思える相手だった。

 

つづく(15話:最初の告白

 

今回はちょっと重い内容になってしまいました(焦)

ただ当時の私にとって、しげきの存在がどれほど重要だったかということをお伝えするには、過去の話を入れた方がいいと思いました。

次回はきちんと由比ガ浜での告白のシーンを描きますので、お楽しみに^^

 

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